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Project Discovery
Project Discovery(プロジェクト・ディスカバリー)はEVE Onlineに付属しているミニゲームの1つです。これを攻略する事でISKが得られる他、限定アイテムと交換できるポイントなどが得られます。
また、このミニゲームは「現実での科学研究の進展に寄与する」という一面もあります。
概要
二重螺旋のようなアイコンが、Project Discoveryのアイコンです。これを開くことでProject Discoveryが始まります。
Project Discoveryでは、画像を判別する問題が出題されます。プレイヤーは、問題を1問処理するたびに報酬を得られます。
この問題には「正解不正解がはっきりしている問題」と「正解が確定していない問題」の2種類があります。報酬の額は、直近に出題された問題に対してどれだけの正解率を得ているかによって増減します。もちろん正解率が良い方がより多い報酬を得られます。
問題の解き方についてはしっかりとしたチュートリアルが用意されているので、それを参考にしてください。
チュートリアルをやっても「こんなの解けねえよ」という問題に遭遇することはままあります。
Human Protein Atlas
Project Discovery第一弾は、Human Protein Atlas(HPA:ヒトタンパク質アトラス:ヒトタンパク質情報データベース)のとの共同研究で、細胞の分類問題でした。
これはデータベースにあるヒト細胞画像内で着色されているタンパク質成分等がどの系統に属しているのかを判別する問題で、2016年3月から2017年6月まで行われていました。
第一弾での報酬は、ISKの他、限定アパレルやAntipharmakon系コンバットブースターなどが得られました。
このプロジェクトにより、新しい細胞質分類である「Rods and Rings」の存在を確定させるなど、半年で100以上の新たな発見を得られたようです。
Exoplanets
Project Discovery第二弾は、ジュネーブ大学との共同研究プロジェクト、「Exoplanets(系外惑星探査)」です。2017年6月に、Human Protein Atlasからこちらに切り替わりました。
これは、2006年12月に欧州宇宙機関が打ち上げ、2012年11月まで活動していた宇宙望遠鏡「CoRoT」が収集したデータから、太陽系以外に存在する未知の惑星を発見しようというものです。
CoRoTが収集したデータは16万7000枚にも及びます。しかしこれは画像ではなく、ある恒星の明るさを連続的に観測したものです。
恒星のCoRoT側の部分を惑星が通過するとき、恒星からCoRoTに届く光の一部が遮られるので、平常時よりごく僅かに暗くなります。惑星は一定の周期で恒星とCoRoTの間を通過するので、この光量の減少も周期的に発生します。この周期的な変化を人間の目で見つけることが、プレイヤーの役割になります。
ジュネーブ大学のミシェル・マイヨール教授(ゲーム内にも登場する)は、太陽系外惑星を初めて発見した天文学者であり、彼のチームはCoRoTのデータから約30個の系外惑星を発見しています。また、まだ12個ほどの系外惑星が見いだせる可能性があると述べており、これを見つけ出すのがこのプロジェクトの目的となります。
Exoplanetsでは、ISK、限定アパレルの他、CONCORD艦などが得られます。
Citizen Science
Project DiscoveryはCCPと外部研究機関(レイキャビク大学及び「Massivly Multiplayer Online Science」(MMOS)等)の共同企画によるものです。
Project Discoveryで提示される判別問題は、少し訓練を積んだ人間であればある程度簡単にできますが、これを機械で行うことは現在ではまだ技術的に難しく、従来は主に研究者自身がこれらを判別していました。とはいえやはり少人数の人の手では処理できる数に自ずと限界があり、そのために研究の速度がなかなか上がらないという問題を抱えていました。
インターネットの発達によって、一般市民が積極的に研究に参加するという運動が盛り上がるようになりました。これは一般に「Citizen Science(シチズンサイエンス)」と呼ばれます。
そこで注目されたのがゲーマーで、Project Discovery以前にも「Foldit」というゲームによって「科学者が10年かけても解けなかったタンパク質構造予測問題を、ゲーマー達が3週間で解いた」という出来事がありました。
Project Discoveryもその例のように成功している例の1つです。